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ラグビー

最後の大会

投稿日時:2010/11/07(日) 20:35

 お久しぶりです。昨年度までコーチとして在籍しておりました中村です。
 11月某日、名古屋中学ラグビー部が悲願の県大会優勝を果たす瞬間をこの目で見させていただきました。今年度、暇を見つけて(暇を作って?)何度も名古屋中学ラグビー部の活動に参加させていただきました。名古屋中学ラグビー部には関係のない者なので、試合の観戦は観客席から観なければいけませんが、伊藤監督のご厚意によって間近に子どもたちのプレーを観ることが出来ました。また、菅平や練習試合などではレフリーを務めさせていただきました。本当に伊藤監督の寛大さには頭が下がります。
11月某日に生徒たちに挨拶をしましたが、やはり私の場合どうも文章でないと上手く自分の気持ちを伝えることができません。ですので、かつて私が活用させていただいたこのHPに伊藤監督のご厚意をかりて挨拶をしたいと思います。
決勝を観て感じたことを記します。
 子どもたちの成長には驚かされました。彼らと毎日接している時は、感じなかったのですが、みんな体が大きくなっています。それとともに精神的にも大きく成長しました。私が「このチームは今日勝つな。」と思った瞬間があります。それは、FWのラインアウトをみていた時です。彼らの言葉に一つもネガティブな言葉がありませんでした。「大丈夫だ。」「ごめん。次は成功させる。」「よし。いけるぞ。」全員がポジティブな言葉を発していました。それは、ゲームにも表れていました。前半、相手に先制トライを奪われましたが、誰一人ネガティブな者はいませんでした。私が昨年度まで不安だったことは、FWが少しネガティブだったことです。しかし、この日彼らを見て安心しましたし、それ以上にうれしかったです。私が、子どもたちに伝えたいことは、「前へ」という気持ち・姿勢でした。中学3年間でこれだけ学んでくれればいいと思っていました。たった一つのことですが、「前へ」という精神は彼らの未来を輝かせるものにすると思います。「前へ出れば道は切り拓ける。」そう信じている私にとって、彼らが口々に発した言葉はとてもうれしかったです。この日、うれしかったことがもう一つあります。それは、子どもたちに胴上げをしてもらったことです。子どもというのは、日々の暮らしの中で過去のことを忘れやすいものです。私自身もそうでした。中学時代、とても仲の良かった友人も今では思い出となってしまっています。だから、久々に彼らに接っすると、以前のような感覚ではなく少しぎこちない感じが私自身していました。(保護者の方は、いつお会いしても以前と同じように温かく接してくれました。いや以前よりも親密に接することが出来たかもしれませんね・・・笑)もう以前のように常に接しているのではないので仕方ないことは重々わかっていたことですが、やはりさみしいものです。試合前、円陣を組んでいる時も、以前なら私が彼らに様々な指示や気合を入れ一緒に戦う気持ちでいましたが、それを立石先生や大輔先生が行っている姿を見ていると、これまたさみしい思いがしました。優勝が決まり、大輔先生・立石先生と胴上げをされていました。順に胴上げしている最中、彼らはこんなことを言いました。「中村先生は一番最後にとっておこう。」最高にうれしかったです。自分が胴上げされるなんて思いませんでしたから。涙が出そうになりました。私が彼らの心の中にまだ存在していたことが本当にうれしかったです。
 彼らから、学んだこともありました。それをこの日気付かされました。ある保護者の方から「この部活に入ってこの子はとても変わった。去年から一年間彼はずっと悔しさをバネに頑張ってきた。彼なりに考え、そしてここ(優勝)にたどり着いたと思います。こんな素晴らしい考え方を彼が出来るようになったのは先生のおかげです。本当にありがとうございました。」私は、彼がそんなことを思ってプレーをしているなんて思ってもいませんでした。私は今まで大きな勘違いをしていました。生徒に考えさせることが大事だ。教師は、生徒に考えさせるよう指導しなければならない。生徒は考えないものだから考えさせなければならないと思っていました。しかし、この話を聞いて、「生徒はこちらが考えさせようとしなくても、日々一生懸命考えて成長しているのだ。」と感じました。本当に勉強になりました。立石先生が言っていました。「子どもたちの思考を止めてはいけない。」その言葉の本当の意味をようやく私は理解できました。大人たちが子どもたちの思考を止めてはいけない。大人たちは子どものためにいろいろ強要していますが、果たしてそれは子どもたちのためになっているのでしょうか。それは、子どもたちの思考を停止させていることになるのではないでしょうか。今までの教師として取り組んできましたが、ふと考えさせられました。やはり、ラグビーから学ぶことは多いと感じた一日になりました。
 最後に、ラグビーはやはり良いものです。名古屋のラグビー部から離れて半年を過ぎましたが、ここに携われたこと本当に良かったと思うと同時に、感謝の気持ちでいっぱいです。今私がやれることは、この感謝を忘れずに、今の場所で今まで学んだことを生かすことだと思います。あいかわらず、乱文ではありましたが、読んでいただきありがとうございました。

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